ニホンザルの二足歩行における脚関節間シナジーの解析
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概要
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生体は身体に備わった多くの関節を協調して動かすことで,外乱に柔軟に対応して目的の運動を実現している.本研究では,直立二足歩行に習熟したニホンザルの歩行中のどの瞬間にどのような脚関節間シナジーが働いているのかを股関節に対する足先位置および速度に注目したUCM解析によって調べた.その結果,立脚期等においては,股・膝・踝関節にシナジーが強く働き,股関節に対する足先位置及び速度の一歩毎のばらつきが抑えられていることがわかった.また,遊脚中の脚が接地する時,ニホンザルでは足先位置を調節する関節間シナジーが強く働くが,このような特徴はヒトでは報告されていない等,ニホンザルとヒトの二足歩行の特徴には相違点があることがわかった.すなわち,本結果はニホンザルとヒトの歩行の制御様式が異なることを示唆するものである.
- 2011-02-28
著者
-
垣内田 翔子
山口大学大学院理工学研究科
-
橋爪 善光
山口大学大学院理工学研究科
-
西井 淳
山口大学大学院理工学研究科
-
荻原 直道
慶應義塾大学 理工学部 機械工学科
-
荻原 直道
慶応義塾大学理工学部
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