骨髄移植患者における無菌食の摂食障害を助長する要因について

概要

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骨髄移植患者の無菌食摂取における食欲不振と摂食障害の要因を明らかにするために,今回の研究を実施した。この目的のために,骨髄移植後の14名の患者に実施した無菌食の摂取障害の状況についてのアンケート調査の結果と,主治医の医学的・客観的な臨床的観察と,骨髄移植前後の各時期に採取した血液検査の結果とを用いた。移植患者においては,中心静脈からの高カロリー輸液にもかかわらず栄養指標の低下が認められた。移植患者の全員に摂食障害が認められ,ほぼ全員が口内炎ないしは嘔気に悩まされていた。摂食障害の強さと睡眠障害の間には有意な関係が見られた。無菌食の吐き気を催させる匂いが骨髄移植患者の無菌食摂取における食欲不振と摂食障害を助長している主要な原因のひとつであることが判明した。さらに,無菌食における匂いの原因について追求するために行った無菌食の調理実験の結果,調理に用いる油脂が無菌食の匂いの変化に影響を与えている一因となっていることが示唆された。骨髄移植患者の生活の質の向上のためには,無菌食の匂いのなお一層の研究が重要である。
藤女子大学の論文