良寛禅師の受食法(じゅじきほう) : 栄養療法の知的枠組についての研究5

概要

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良寛禅師は「法格」を有しておられるとする長谷川洋三の「枝折り」に従い、「良寛に登拝」することが本論のゴールであった。本論では「良寛に登拝する麓の参道」として良寛禅師の受食法(じゅじきほう)を撰択した。それを検討する資料として、請受食文、「誰家不喫飯」で始まる三つの詩、仙桂和尚と題した詩を採りあげた。良寛禅師の当時の世間の人々が「何の為に食事をするのかわかっていない」のは、口腹の慾や蓄財の慾に「転ぜられ」、慾を「退歩返照」させられないで、心迷っているからであり、言い換えると「衣のなかの宝珠」に気づいていないからであった。「衣のなかの宝珠」を発見した良寛禅師は、仏教の命脈でありかつA.H.マズローの必要性の階層の最下層の生理的必要性とその上の安全の必要性に基づいた受食によって、人々を「調え御する」ことを志向する大乗仏教の托鉢僧として、托鉢(受食、乞食)は目覚めた者(仏)を養う必要条件であり、仏法は「よい生き方」を目的とする合理的な生活法であると捉えていた。このように良寛禅師の受食法(じゅじきほう)は、托鉢(受食、乞食)時代の大乗仏教の受食法(じゅじきほう)であり、それは良寛禅師が人類普遍のヘレニズム文化の最も典型的な姿としての仏法を志向したからであると思われる。
2008-03-31

良寛禅師の受食法(じゅじきほう) : 栄養療法の知的枠組についての研究5

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