ソフトウェア保守のための統計的回帰テスト法の概要とそのケーススタディ(ソフトウェアテスト,<特集>ディペンダブルコンピューティング論文)

概要

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保守工程においてソフトウェア信頼性を評価するための手法である統計的回帰テスト法を提案する.保守工程はソフトウェア開発に要する時間の過半を占める工程であり,また,ソフトウェア信頼性は製品のディペンダビリティを決定づける重要な要素である.保守工程ではソフトウェア信頼性を維持あるいは改善するために回帰テストが行われる.しかし,従来からの回帰テストの手法である系統的テスト法は,ソフトウェア信頼性の評価に必ずしも適していない.統計的回帰テスト法は,そのような従来手法の欠点を補うためのものである.本手法では,ユーザによるソフトウェアの利用方法を利用モデルと呼ばれるマルコフ連鎖として定義し,利用モデル上の確率分布に基づいてランダムにテストケースを生成する.本研究において,小規模なクライアントサーバプログラムを用いた適用実験を行い,本手法が実現可能であることを示した.更に,期待される効果や課題を明らかにし,実用化への見通しを立てることができた.
社団法人電子情報通信学会の論文
2006-08-01