牧草類および青刈飼料作物の硝酸塩含量について

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(1)本邦においてふつうに栽培されていて,家畜に広く給与されている牧草類および青刈飼料作物についてその硝酸塩含量を定量してみた。供試された作物は,牧草では禾本科のチモシー,オーチヤードグラス,イタリアンライグラス,ペレニアルライグラス,レッドトップ,荳科のアルファルファー,ラジノクローバー,レッドクローバー,コンモンベッチ,ヘアリーベッチであり,青刈飼料作物では青刈エンバクと青刈トウモロコシ,その他,野乾草とエンバクのサイレージであつた。(2)それらの硝酸塩含量は禾本科の牧草では乾物中KNO_3として0.25〜1.24%,荳科の牧草では0.35〜1.59%であつた。青刈エンバクについては,その大部分は0.62〜2.52%であつたが,なかにはその3倍である7.59%も含まれているものがあつた。また,野乾草,サイレージではともに少なく,約0.6%であつた。(3)青刈エンバク,青刈トウモロコシのいずれにおいてもその硝酸塩含量は生育の初期には非常に多く,それぞれ乾物中KNO_3として7.29%,6.2〜8.1%であつたが,生育期の進むにつれて漸減し,それぞれ1.1%,0.6〜0.8%になつた。また,硝酸態窒素の全窒素に対する割合は,いずれの作物においても生育の初期にはかなり高く,約25%以上となつていたが,生育期が進むと約5%前後にまで減少した。
日本草地学会の論文
1963-04-30

牧草類および青刈飼料作物の硝酸塩含量について

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