牛の皮膚及びなめし皮の形態学的並に組織学的研究 : 第III報＊皮膚組織の牛體部位及び性による差異

概要

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本研究は生体における家畜の皮膚の状態とこれをなめし皮にした場合のその品質との間の関連性を究めんとして始めたものである。材料としてはまず本邦における原皮の主な供給家畜である牛を選んだ。そして本報告においては,黒毛和種の成牛牝牡各2頭について屠殺後牛体の24部位から皮膚の小片を採取し,組織標本を作製して,その組織の牛体部位及び性による差異を確かめ,皮革原料としての皮膚についていささか考察を試みた。その調査項目の詳細は全皮厚,原皮の主要部分における皮厚の揃不揃の程度,表皮及び眞皮各層の厚度,眞皮網状層の膠質纎維の太さ及びその交雜状態,眞皮の彈力纎維の発達度,被毛密度,被毛の種類及び各種被毛の割合,被毛の太さ,立毛筋,汗腺の型,位置,大きさ及び密度,皮脂腺の位置,大きさ及び密度である。