時間分解顕微SHG法による有機FET中キャリアの移動度測定(光機能性有機材料・デバイス,光非線形現象,一般)

概要

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我々は、有機FETの新規評価法として光第2次高調波発生法(SHG)を提案し、有機FETにおけるチャネル形成や、顕微分光による素子中の電界分布計測について検討してきた。その結果、OFF状態における有機物内のラプラス場形成と、ON状態転移後のキャリア注入による、そのボアソン場への変化を観測することができた。このことは、SHG法が電界分布測定を通じて、電荷分布に関する情報も得られる有効な測定手法であることを示している。有機FETでは、電荷の注入、蓄積および輸送という三つの重要な過程がその動作を支配している。そこで現在我々は、SHGを用いてこれらの過程を分離して評価する手法を検討している。今回、これらの過程の中で輸送過程に着目し、時間分解顕微SHG分光法と高感度冷却CCDを用いて、キャリアがFET素子中を流れる様子を捉えることに成功した。本研究で用いている電界誘起SHGは材料中の電場によって誘起されるため、電界の時間的変化を時間分解測定によって捉えることができる。また素子中に注入された電荷は、空間電荷電界の源となるため、結果としてSHGによってキャリア分布の時間的変化を追うことができる。実際のSHG像では、ホール注入条件においてSHGの発光位置が時間を追うごとに電極から離れていく様子を観測することができた。これは、注入されたホールがキャリアシートとなり、チャネル中を拡がっている様子を反映したものであり、Scher-Montrollによって予測されたモデルと一致する。
2007-11-09

時間分解顕微SHG法による有機FET中キャリアの移動度測定(光機能性有機材料・デバイス,光非線形現象,一般)

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