試験プラントでルーサンから生産した緑葉蛋白質濃縮物及びそれを添加した小麦粉あるいは子牛代用乳の栄養価
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概要
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本実験に供した緑葉蛋白質濃縮物(LP)は,インドのマラスワダ大学で次の工程により調製した。ルーサン搾汁液を90℃に加熱後,布袋に入れて圧搾した。得られた凝固物(LP)を水に懸濁させ,pH4にして再凝固させたのち上記の方法で回収することにより,水溶性成分を除去した。LPの乾燥は日陰にひろげて行った。このLPは,子供の食料あるいは子牛の代用乳の成分として,すでに高い効果が認められている。しかし,その詳細な栄養価は明らかにされていない。そこでLP,LPと小麦粉の1:3.8混合物(LP:WF)及びLPを10%含有する子牛代用乳(MR)の蛋白質の栄養価について,蛋白質含量10%の半精製飼料を生長中のラットに給与することにより検討した。LPの蛋白質の真の消化率,N保留及び生物価はそれぞれ83,44及び71%であった。メチオニンの添加によりN保留及び生物価は60及び89%に向上した。さらにリジンを添加しても効果は認められなかった。以上の結果は,従来報告されている無洗滌のLPを加熱乾燥したものより優れ,凍結乾燥したものと等しい。よってLPの栄養価保持には,乾燥法よりも乾燥前の水溶性成分の除去が重要であることが明らかとなった。LP:WF及びMRの蛋白質の消化率は等しく,ともにLPよりも優れていた。生物価は3者の間に差がなかった。LPの制限アミノ酸がメチオニンであったのに対し,LP:WFのそれはリジンであった。一方MRは,メチオニンとリジンを同時に添加して,はじめて有意な栄養価の改善がみられた。アミノ酸添加の結果得られた生物価はLP(89),LP:WF(85)及びMR(81)の順であった。それに対しN保留は消化率の差を反映してLP:WF(69),LP(61)及びMR(58)の順となった。MRの成分含量は,CaとPがやや低いほかはNRCの推奨値とよく合致した。LPはMg含量に富んでいたが,Ca及びP含量は豚,ヒナ等の飼料中の必要量の約1/2であり,またNa及びK含量も著しく低かった。鉄含量は高かったが,これは機械の銹,水等からの混入によるものであろう。
- 日本草地学会の論文
- 1986-10-31
著者
-
大島 光昭
名城大学農学部
-
大島 光昭
香川大学農学部
-
サバンギカー ブィ
香川大学農学部
-
サバンギカー シー
香川大学農学部
-
サバンギカー シー
香川大学農学部:(現)マラスワダ大学植物学科
-
サバンギカー ブィ
香川大学農学部:(現)マラスワダ大学植物学科
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