ラジノクローバーLPCのラットに対する第2制限アミノ酸について
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概要
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生育期のラジノクローバーを磨砕•圧搾して得た搾汁液を塩酸でpH 4に調整後2分した.一方は70°Cに加熱後遠心分離機(16,000rpm.)にかけ,得られた沈澱物を70°Cで通風乾燥した(加熱LPC).他方は直接遠心分離し,上澄液を70°Cに加熱して残存する微量のLPCを凝固させて遠心•回収し,両沈澱物を凍結乾燥したのち合した(凍乾LPC).両LPCのアミノ酸組成を比較した結果,リジン含量が凍乾LPCでまさるほかはよく一致した.両LPCのいずれか1つを単一蛋白質源とする蛋白質含量10%の飼料を調製し,そのまま,あるいは補足アミノ酸とともに,体重約45gのラットに制限給与した.アミノ酸無添加の場合,凍乾LPCは,ラットの増体量,蛋白消化率,窒素保留および蛋白効率において,加熱LPCよりすぐれていた.メチオニン添加により両LPCとも栄養価が向上としたが,消化窒素当りの尿窒素量からみて,改善効果は凍乾LPCの方が高かった.さらにリジンを添加した結果,加熱LPCの栄養価は改善されたが凍乾LPCのそれは改善されず,両LPCの栄養価は,ほぼ等しくなった.血中遊離アミノ酸濃度はスレオニンが,ケミカルスコアはヒスチジンが凍乾LPCの第2制限アミノ酸であることを示したが,飼料への添加効果は得られなかった.以上の結果,加熱LPCの第2制限アミノ酸はリジンであったが,凍乾LPCのそれは,リジン,スレオニン及びヒスチジンのいずれでもなかった.アミノ酸分析値は,加熱処理過程におけるリジンの破壊を示した.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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