特異性蛍光抗体法によるRhizobium japonicumのバクテロイドの同定

概要

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土壌中には多数の根粒菌が生息しており,宿主との反応もきわめて多様であることが予想される。本研究は土壌に接種された有効菌株の追跡・同定方法として蛍光抗体法の適用を試みた。使用したRhizobium japonicumS32は宿主特異性を有する(ダイズ品種キタムスメには有効根粒を,トヨスズには無効根粒を着生)。また,この菌株に対して調製された抗体の特異性は高く,本実験に用いられた他の菌株とは全く反応しなかった。この抗体をFITCと反応させ蛍光抗体(FAb)を得た。FAbはS32単生菌との凝集反応および蛍光色素による標識が確認された。また,S32をキタムスメに接種して得られた有効根粒中のバクテロイドとも反応することが確認された。本菌株をトヨスズに接種して得られた無効根粒-側根に形成された多数の小根粒および少数の大根粒中のバクテロイドも全てFAbと反応することが判明した。このことはいずれの根粒もS32によって形成されたものであり,ダイズ栽培中に予想される,他の菌株のコンタミネーションが原因ではないことが判明した。
帯広畜産大学の論文
1983-11-30