甜菜生汁および廃糖蜜のAspergillus terreus K26によるイタコン酸発酵における菌糸固定化の影響

概要

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イタコン酸のように,グルコースからの転換に酸素が関与する好気発酵において,A.terreus K26の菌糸をアルギン酸カルシウムでゲル化することが,発酵成績にどの程度の影響を及ぼすかを甜菜生汁,廃糖蜜およびそれぞれの模擬培地を用いて往復振盟培養により検討し,次の結果を得た。1)G培地での固定化菌糸によるイタコン酸蓄積速度Vi(%/d)1.01,比イタコン酸蓄積速度Vi/C'm(%/%/d)1.16および対消費糖イタコン酸収率Yi(%)42は,遊離菌糸のそれぞれの値の60,80および80%にとどまった。2)TJ天然および模擬培地での固定化菌糸の値(ViO.30,Vi/C'mO.44,Yi17)および (Vi O.32,Vi/C'm O.45,Yi 19)は,それぞれの培地の遊離菌糸の値(Vi,Vi/Cm,Yi)に比べ(50%,70-75%,50%)であった。3)HA天然および模擬培地での固定化菌糸の値(Vi O.73,Vi/C'm 1.23,Yi 37)および (Vi O.68,Vi/C'm 1.06,Yi 32)は,それぞれの培地の遊離菌糸の値(Vi,Vi/Cm,Yi)に比べ(60%,70-80%,65-70%)であった。菌糸固定化による発酵速度の低下は,ゲル中への溶存酵素の拡散律速の他に,培地中の揮発酸などにより顕著に現れた。
帯広畜産大学の論文
1994-06-28