Rhizobium fredii USDA191の過酸化水素耐性変異株の根粒形成及び窒素固定機能について

概要

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過酸化水素感受性と根粒形成機能との関係を調べるため,過酸化水素に対する感受性の高いRhizobium fredii USDA191の過酸化水素耐性変異株をトランスポゾン(Tn5)による変異操作により得た(M1〜4株)。これらの変異株のcell-free extractを抗原としたロケットライン免疫電気泳動では親株との明確な差異は認められなかったが,いくつかの変異株の菌体内のNAD^+ペルオキシダーゼ活性は,親株に比べ,過酸化水素によって高まる傾向があった。特にM3には,調べた5種類すべてのペルオキシダーゼ(NAD^+peroxidase,p-phenylenediamine peroxidase,o-dianisidine peroxidase,glutathione peroxidase and 3,3'-diaminobenzidine peroxidase)に活性が認められ,根粒重量及びアセチレン還元能(窒素固定能)が親株よりも高まったことから,過酸化水素に対する菌の感受性は根粒形成に重要な影響を及ぼすとともに,過酸化水素に対する耐性を賦与することにより,有効な根粒菌の育種の可能性が示唆された。
帯広畜産大学の論文
1998-10-26