甜菜主根スライス中に発現する結合型サッカラーゼの塩類による可溶化
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概要
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甜菜主根スライスのエイジング中に発現するサッカラーゼには,遊離型および細胞壁と結合する結合型サッカラーゼの2種類存在する.その大部分は,結合型サッカラーゼとして存在する.この細胞壁結合型サッカラーゼの可溶化には,塩化ナトリウム,塩化カリウム,硝酸ナトリウム,硝酸カリウム,および硫酸ナトリウム等のナトリウムイオン,およびカリウムイオンを含む無機塩で効果的であった.無機塩での可溶化におよぼす濃度の影響は,塩化ナトリウム,塩化カリウムは0.3M以上,二価塩類である硫酸マグネシウムは, 0.1M以上で可溶化される. 1.OM塩化ナトリウムで処理すると,ほぼ完全に可溶化される. 可溶化された結合型サッカラーゼの一般的性質では,最適pHは4.6であり, pHに対する安定性は37°C, 15分間保持する条件のもとではpH4.0〜7.0の間で安定であった.また,最適作用温度は50°Cであった.温度に対する安定性では, 15分間保持で37°Cまで安定であった.基質をシュクロースとした場合のKm値は, 1.53mMであった.塩化水銀,硫酸鉄, PCMB等の物質では,それぞれ69.2%, 33.1%, 49.3%阻害される.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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