水稲アケノホシにおける穂肥時期が籾数の構成内容に及ぼす影響

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水稲アケノホシを用い,穂肥の時期と量の違いがm^2当たり穎花数および登熟籾数に及ぼす影響について穂単位に分解して検討し,以下のような結果が得られた。1.出穂前36日の施肥は稈長が最も長くなり,穂数も最大でわら重も多かった。一方,出穂前24日の施肥はm^2当たり籾数と一穂籾数が大きくなり,精玄米収量は最大になった。2.施肥時期が主稈穂の穂相に及ぼす影響については,一次枝梗数は変動が少なかったが二次枝梗数で変動が大きく,出穂前30日の施肥で分化が最も多かった。また,一穂籾数は出穂前30日と同24日の施肥で多くなり,主として二次枝梗籾数の増加に依存した。なお,一次枝梗籾数と二次枝梗籾数の比率は一部を除いてほとんど変化しなかった。3.m^2当たり穎花数と登熟籾数を主稈穂と分げつ穂とに分けてみると,施肥時期によって主稈穂と分げつ穂に及ぼす影響に大きな差異がみられ,主稈穂・分げつ穂を通じm^2当たり登熟籾数を増加させたのは出穂前24日の穂肥だけであった。4.m^2当たりの穂数と穎花数を,個々の穂の一穂籾数で分級してその分布を調べたところ,施肥時期によって分布パターンが大きく変化することが明らかになった。5.アケノホシのように一穂籾数が著しく多い品種の収量構成要素を比較検討する場合には全穂対象による平均値では不十分であり,主稈穂と分げつ穂とに分割した比較,およびm^2当たり穎花数を穂の大きさ別に分級してその分布実態を把握することの重要性を指摘した。
日本作物学会の論文
1986-12-25

水稲アケノホシにおける穂肥時期が籾数の構成内容に及ぼす影響

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