水稲機械移植用育苗における遮光性フィルムの利用に関する研究 : 第1報徳島県における遮光性フィルムの普及実態とその問題点

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水稲育苗用被覆資材として急速な伸びを示している遮光性フィルムの普及実態を調査するとともに,三層構造シルバーポリにおける被覆適日数について検討し,つぎのような結果を得た。1)徳島県全体での遮光性フィルムの利用度は機械移植面積の80%に及んでおり(昭53),そのうち三層構造シルバーポリの占める割合は66.4%であった。2)普及所単位でみた場合,三層構造シルバーポリの利用率がとくに高いのは吉野川中上流の脇町地区(95%),川島地区(90%)と,県南の阿南地区(90%)である。3)被覆材利用面での特異地帯としては,黒ビニールが70%を占める徳島地区と,白ビニールが90%を占める小松島地区とがあげられ,前者ではかつて大幅に導入された黒ビニールが未だ更新期でないことが,また後者では中苗利用地帯のため遮光度の大きいものは不向きであることが特異性の背景要因となっている。4)三層構造シルバーポリによるトンネル状密閉被覆での被覆適日数は,出芽後利用方式で3〜4日,播種直後利用方式で6〜7日と解され,除覆時期を苗の生育度で判断する場合は草丈が6〜7cmの時期が一応の目安とみなされた。5)三層構造シルバーポリでの適用種類としては徒長危険度の小さい^#90フィルムの方が適視された。なお,被覆期間中の灌水はまったく不要であったが,播種直後利用方式では播種時の灌水を多くする必要が認められた。
日本作物学会の論文
1980-01-15

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