湛水直播水稲の倒伏抵抗性について

概要

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水稲の転び型倒伏を中心とする倒伏の抵抗性を,立毛状態で簡易に測定する装置を考案した。これを用いて,湛水直播水稲の倒伏抵抗性を測定し,播種深度との関係,中干しとの関係などについて考察した。1.測定装置として,引き倒し型と押し倒し型の二つの方式を考案した。引き倒し方式の装置は,手作りで簡単に作れるが,操作がやや煩雑で能率が劣る。一方,押し倒し方式は,操作が簡単で能率もよく,極めて使いやすいが,なお,改良を要する点もある。両方式とも十分使用できると思われた。2.湛水直播水稲の倒伏抵抗性は,出芽率とは逆に,播種深度が増すにつれて高まる。この程度は0〜1cm間で大きく,2cm以上では小さかった。3.1穂当たりの倒伏抵抗と1株穂数との関に正の相関がみられた。したがって,1株穂数が増すにつれて,倒伏抵抗は著しく増大した。4.中干しによる倒伏防止効果は,1cm以上の播種深度の場合に認められたが,0cmのような浅掻きでは認められなかった。5.以上より,当地域の湛水直播水稲の倒伏防止には,播種深度を1〜1.5cm程度とし,1株分げつ穂数を多く確保すること,および,中干しが有効であるといえる。表面播きのような浅播きでは,中干しによる倒伏防止効果が小さいので,1株分げつ穂数を多く確保することが一層重要になる。
日本作物学会の論文
1985-12-25

湛水直播水稲の倒伏抵抗性について

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