水稲機械移植用苗における徒長防止剤の利用に関する研究 : 第4報浸種処理と播種前・出芽後処理との併用による中苗育成

概要

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生育調節剤テトシクラシス1%水和剤の中苗育苗への利用法を確立するため,水稲日本晴を用い,基肥窒素施用および播種量5割増の育苗条件において,浸種処理と播種前または出芽後の灌注,散布処理とを組み合わせた併用処理の効果について検討し,つぎのような結果を得た。1)本剤処理区はいずれも播種量が無処理区の5割増であるにもかかわらず,浸種処理単独区の場合でも移植期の草丈と苗令は無処理区と差がなかった。ただ,地上部乾物重および乾物重/草丈比は無処理区より劣った。2)浸種処理と床土灌注処理または出芽後散布処理との組合せ処理の場合は,各区とも本葉第4葉まで葉身長が抑制され,このため移植期の草丈は無処理区より5〜6回短くなったが,苗令は0.5葉ほどまさり,40日育苗では5葉苗が得られた。なお,これら組合せ処理の場合も地上部乾物重は無処理区より劣ったが,乾物重/草丈比は無処理区と大差なかった。3)本剤の処理が本田の活着ならびに生育に悪影響を及ぼすことはまったくみられず,組合せ処理区の場合はむしろ活着,生育が向上し,収量面でもややまさった。
日本作物学会の論文
1982-12-25