水稲機械移植用育苗における徒長防止剤の利用に関する研究 : 第1報種子浸漬処理における処理条件と薬効との関係

概要

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水稲機械移植用育苗への徒長防止剤BAS106剤の適用性を明らかにするため,稚苗を対象として,種子浸漬処理により検討し,以下の結果を得た。1.本剤は,種子浸漬処理で苗の徒長防止に卓効を示し,その薬効は高濃度,長時間処理ほど,また15℃浸漬よりも30℃浸漬で強かった。さらに,浸種後期での処理で効果が強く現われ,本剤の薬効は処理時期によって左右されることが示唆された。2.24時間浸種処理での適濃度は,成分5%剤で150ppm程度と判断された。なお,本剤による浸種処理は,発芽に対する悪影響はなかったが,幼芽の伸長を抑えるため,出芽遅延がみられた。また,草丈を抑制する反面,苗令を進める傾向が認められた。8.本田移植後の発根,分げつ発生,草丈,乾物重などはいずれも無処理区と同等か,まさる傾向を示し,本剤処理が本田の初期生育に悪影響を及ぼすことはなかった。
日本作物学会の論文
1981-01-15