チャにおける光合成の冬期低下現象と品種及び葉齢との関係
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概要
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チャ越冬葉の冬期の光合成低下の少ない品種の育成, あるいは光合成低下を最小にする栽培管理技術の開発を目的として, 越冬葉の冬期の光合成低下の品種間差及び葉齢間差について検討した. 光合成活性は酸素電極で測定した. 耐寒性極強の'やまとみどり'とやや強の'やぶきた'の冬期の光合成活性の低下は相対的に少なく, 春先の活性の回復も順調であった. 一方, 耐寒性が弱い'印雑131'の冬期の光合成活性の低下は著しく, 春期の活性の回復も明瞭ではなかった. 耐寒性がやや弱い'べにひかり'は, これら2グループの中間的な光合成活性の変動を示した. このように越冬葉の光合成低下程度と, その品種の耐寒性の強弱の間には密接な関係が認められた. また未成熟な状態で冬期の低温に遭遇した秋整枝後の遅れ芽は, 冬期の光合成活性の低下が著しかった. そこで冬期の光合成低下と株表層葉の葉齢の関係を検討した. 秋期の光合成活性は四番茶葉, 三番茶葉, 二番茶葉の順で, 葉齢の若い葉ほど高かった. しかし, 冬期の光合成低下率はいずれの茶期の葉でも40%前後であり, 葉齢との関係は認められなかった. 四番茶葉は晩秋の生長停止期までに成熟を完了していたと判断されたことから, 形態的・生理的に成熟が完了した葉では, 茶期あるいは葉齢が異なっても, 低温ス卜レスに対する感受性に差はないと結論された.
- 日本作物学会の論文
- 1994-06-05
著者
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岡野 邦夫
野菜・茶業試験場
-
岡野 邦夫
農林水産省、野菜・茶業試験場
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岡野 邦夫
野菜茶業試験場施設生産部
-
松尾 喜義
野菜茶業研究所茶生産省力技術研究チーム
-
松尾 喜義
野菜茶試
-
松尾 喜義
農林水産省四国農業試験場
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