チャ葉の発育にともなう光合成活性の変化と光条件の関与
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
茶株の群落光合成能力を高い状態に維持する整枝法の開発のためには,葉の成熟にともなう光合成活性の推移を明らかにする必要がある。そこで品種やぶきた一番茶葉の発育にともなう葉の形態及び光合成活性の変化を経時的に追跡した。<BR>葉面積拡大は開葉後約35日で完了し,同時に暗呼吸速度も一定値となったが,光合成活性はそれより10日程遅れて開葉後約45日で最大値に達した。葉重増加も同時に停止したが,葉の厚さはそれ以後も増加を続け,開葉から2ヶ月経過した後に一定値に達した。<BR>一番茶枝条の生長につれて,越冬葉や新梢下位葉の光合成活性は急激に低下した。新芽摘採により株面の光環境を改善したところ,急激な活性低下は抑制されたことから,チャ葉の光合成活性の低下には光条件が関与していると考えられた。<BR>乾物当たり全窒素含有率は新葉の発育にともなって急速に低下し,葉面積拡大停止期に一定値となったが,葉中の全窒素量は開葉後2ヶ月までは一貫して増加を続けた。従って,新葉の発育にともなう全窒素含有率の急速な低下は,窒素の絶対量が減少するためではなく,窒素の蓄積速度を乾物増加速度が上回るためであることが確認された。
- 日本茶業技術協会の論文
著者
-
岡野 邦夫
農林水産省、野菜・茶業試験場
-
松尾 喜義
野菜茶業研究所茶生産省力技術研究チーム
-
忠谷 浩司
滋賀県茶業指導所
-
松尾 喜義
農林水産省野菜・茶業試験場
-
松尾 喜義
野菜茶試
-
松尾 喜義
農林水産省四国農業試験場
関連論文
- 一番茶の収量構成要素と母枝の太さとの関係
- 挿し木後3年目の幼茶樹における根郡分布形態の品種間差異
- 2001年4月に発生したチヤの萌芽期ごろの急激な低温による : 一番茶新芽被害の発生様相とその品種間差異
- 茶樹品種における比葉重の変動特性について
- 100 チャ新梢の成熟にともなう硬さの変化について
- 遮光によるチャ新芽の葉色変化
- 遮光処理が一番茶新芽の化学成分含量に及ぼす影響
- 根の酸素利用状況の視覚化と活性評価
- チャの根の活性に及ぼすLED連続照射の影響
- ジベレリン欠乏ストレスによるチャノキ不定根の構造変化
- 68. ジベレリンによるチャノキ不定根のエイジングと開花の制御
- 日本作物学会東海支部第134回講演会「現地見学会」の報告
- 1 茶の道管液からのジベレリンの同定
- 一段養液栽培トマトの裂果時における水分状態
- 生長, 光合成, 窒素吸収及び遊離アミノ酸蓄積からみた茶樹の適正窒素施用量
- カメリア属植物の木部樹液中のアミノ酸組成
- 静岡県牧の原台地における強酸性化した茶園土壌の粘土鉱物組成(4. 土壌物理化学・鉱物, 2004年度大会講演要旨集)
- 中山間地茶園湧水の硫黄酸化菌を用いた装置による窒素除去
- 静岡県菊川町上倉沢棚田保全地域における強酸性茶園流出水中和効果の通年評価
- 26 茶園排水の浄化資材及びバイオジオフィルターによる浄化(中部支部講演会)
- 茶園流出水が作物種子の発芽と幼根伸長に及ぼす影響
- P-5 牧の原台地の茶園地帯から流出する強酸性かんがい水に対する水田の中和効果
- 2001年4月に発生した萌芽期頃の低温によるチャ新芽の形態異常について
- Cd処理が茶樹に及ぼす影響
- 幼茶樹生育に及ぼすLED連続照射の影響
- 牧ノ原台地茶園地域流出水系の水田における無窒素肥料による水稲栽培試験(講演要旨,第136回講演会)
- 有機溶媒浸漬処理が水稲種子の発芽に及ぼす影響
- ^Cを利用した成木茶園の光合成・物質生産構造の解析
- 幼茶樹における^N-窒素の吸収, 分配及び再分配パターンの季節変化
- 49 春先の凍霜害に伴う茶樹越冬葉の光合成酸素放出能力の低下現象とその品種間差異
- 超多肥環境下における茶樹の生育と遊離アミノ酸蓄積
- 茶園表層葉の光合成活性の季節推移
- 乗用型管理機利用茶園におけるうね間土壌硬度の特徴
- 60 生長及び遊離アミノ酸蓄積からみた茶樹の窒素施肥反応
- 37 チャ葉光合成活性の葉令及び季節変動
- 一番茶生長期の成木茶園の光合成・物質生産構造
- 秋冬期の成木茶園における群落光合成の解析
- チャにおける冬期及び春期 ^CO_2 同化産物の体内挙動
- チャの窒素吸収活性の季節変動と新芽窒素の由来
- 62 チャの季節的窒素吸収と一番茶新芽窒素への寄与率
- 一年間を通してみた茶園葉色の推移
- 新芽アミノ酸含量及び組成からみた幼茶樹の施肥反応性
- 103 チャ及び近縁ツバキ属植物の導管液のアミノ酸組成
- 一般農家の茶葉における葉色値と全窒素含有率との関係
- チャ新梢の生育に伴う葉色変化の葉緑素計による追跡
- P-4 茶園における硫安施用量と畦間土壌ECとの関係
- 牧ノ原台地の平坦面上茶園における根域の深さの特徴(講演要旨,第137回講演会)
- 根の生長と細胞壁粘弾性変化 : チャの根の場合
- 茶・白色根の根端部組織構造と細胞壁の粘弾性 : (1) 細胞壁の酸性 pH への応答
- "Weed Research" 第30巻1〜3号の内容紹介
- P-46 超音波透過波による茶葉の音響特性計測
- イネにおける青立ち穂上小穂の形態形成的変化
- 67 誘発青立症イネ小穂における性発現の雌性化・貫生化の変動
- 119 青立症イネ小穂の割断面走査電子顕微鏡観察
- 121 水稲不稔青立症の発生要因の解明(第8報) : 症状の特徴と障害原因物質の特性
- 120 イネにおける青立症小穂の形態解剖
- イネにおける青立症小穂の形態解剖
- キャパシタンス測定による根量の推測
- 土壌比抵抗の計測による茶樹根域の環境条件把握の試み
- 茶園の土層貫入抵抗と干ばつ被害との関係
- 茎部導管電位計測による茶樹根系への障害処理の影響の検出
- 熱画像に現れた茶樹の各種ストレス反応
- 94 生体電位計測による茶樹栄養状態評価の可能性について
- 水稲品種の一穂籾数分布からみた穎花生産特性の比較 : 第 3 報 超多収稲育成系統における 1 株植付苗数による反応特性
- 超多収水稲の登熟期蒸散量が登熟に及ぼす影響(第28回講演要旨)
- 6 水稲品種の一穂籾数分布からみた頴花生産特性の比較 : 第2報 1株植付苗数と施肥量が株内茎重と1穂重分布に及ぼす影響
- 秋冬播水稲種子の越冬特性における品種間差異(第27回講演要旨)
- 2010年3月30日静岡県牧之原台地周辺における凍霜害時の茶株面気温と典型的被害事例 (2010年凍霜害関連)
- 2010年3月の静岡県牧之原市における凍霜害発生時の茶園気象と防霜ファンの効果
- 挿し木接ぎした茶樹における枝の構成に及ぼす地下部品種の影響
- 24-19 台地小流域湧水からの溶存温室効果ガス発生量の推定(24.地球環境)
- 24-22 茶園台地下の湧水中の溶存亜酸化窒素のモニタリング(24.地球環境)
- 48 一番茶生長期における茶樹の光合成・物質生産構造
- 53 成木茶園における^CO_2同化能力の葉層別分布
- 養液栽培における湿気中根と水中根の根系構造の差異
- 牧ノ原台地周辺の棚田における酸性茶園流出水に対する中和効果の調査事例
- 気象観測データから見た2010年3月の凍霜害
- 2008年一番茶に見られた「芽つぶれ」現象の観察事例(講演要旨,第139回講演会)
- 2007年春に観察された茶園凍霜害の特徴(講演要旨,第138回講演会)
- I.話題提供 : 2.チャ生産における環境保全型技術への展望(チャの環境保全型栽培技術体系の確立と品質評価)
- 水稲不稔青立症の発生要因の解明 : 第10報 大苗の移植実験による症状発生条件(第27回講演要旨)
- 57 水稲不稔青立症の発生要因の解明 : 第9報 西南暖地の主要水稲奨励品種におけるStraighthead感受性の品種間差異
- 水稲の中国育成品種と日本品種における穎花生産特性について(第26回講演要旨)
- 10 水稲品種の一穂籾数分布からみた穎花生産特性の比較 : 第1報 多収性外国稲と日本稲における一穂籾数におよぼす1株植付苗数の影響
- 静岡県の標高1400m地点における茶樹植栽実験(講演要旨,第137回講演会)
- 静岡県牧ノ原地域の緑茶栽培における葉層管理の多様さと茶生産を不安定化する要因として寄与する可能性
- 茶樹における木化根の乾物蓄積量の推定
- 茶樹木化根の品種系統間差異の概況
- 根系の形態と機能に基づくチャの耐干性機構の解明
- チャ生産における環境保全型技術への展望
- 牧之原台地周辺の水系における硝酸態窒素濃度の推移(22. 環境保全, 2004年度大会講演要旨集)
- 貫入型土壌硬度計による測定記録紙データのデジタル読み取り
- 休耕田への通水による茶園流出水の水質改善効果
- こんな根どうだ根 : 第13回チャ(その2 : 細根)
- 幼茶樹の窒素吸収能力の季節変化
- チャ葉の発育にともなう光合成活性の変化と光条件の関与
- 生長, 生理機能及び新芽全窒素含量からみた幼茶樹の窒素施肥反応
- チャ木部樹液中のアミノ酸濃度の台切り更新にともなう変化
- チャにおける光合成の冬期低下現象と品種及び葉齢との関係
- ダイコン品種の辛味成分含量