牧ノ原台地周辺の棚田における酸性茶園流出水に対する中和効果の調査事例
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概要
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日本の緑茶生産では, 生産される緑茶の品質は, 含有される遊離アミノ酸や全窒素によって評価可能であるとされてきたため, 生産現場の茶園では高品質をねらった多肥栽培が行われ, 10アールあたり年間窒素成分で100kg程度の窒素肥料が施用される状態がつい最近まで習慣化していた.最近になって河川水や地下水中の硝酸性窒素濃度に関する環境基準値(10ppm)が設定されたため, 茶業における過剰な施肥を是正することが強く要請され, 行政や各種指導機関による減肥推進運動が強力に展開されている.このような行政の指導によって新たに茶園に投入される肥料成分が削減されはじめているものの, 牧ノ原台地など主要茶産地の地下水は, 長年の多肥により, 硝酸イオンはじめ硫酸イオンなどをかなりの濃度で含む状態で, 地下水全体が浄化されるには長い年月がかかると見込まれている.牧ノ原台地の茶園地帯から流出する水は, 上記のように過剰施肥に起因する各種成分を多量に含むのに加え, pHが4〜5と強酸性化していることが知られている.このような強酸性の流出水は, アルミニウムイオンなどを含むため生物の生息に有害で, 台地流出水の流れる小河川では生物相が貧弱になっている.このような現状を調査する中で, 牧ノ原台地茶園周辺の斜面に分布する棚田地帯を流下した水は, 酸性が中和され, 小魚やザリガニなどの水生生物も豊富になる事例が観察された.本報告では棚田地帯による茶園からの流出水の中和効果の事例を報告する.
著者
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松尾 喜義
農業・生物系特定産業技術研究機構 野菜茶業研究所
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松尾 喜義
野菜・茶業試験場
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松尾 喜義
四国農試
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松尾 喜義
野菜茶業研究所茶生産省力技術研究チーム
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松尾 喜義
野菜・茶業試験場茶栽培部
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