水稲機械移植用育苗における徒長防止剤の利用に関する研究 : 第5報テトシクラシス剤の灌注処理における土壌別反応差異

概要

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水稲品種日本晴を用い,植物生育調節剤テトシクラシス1%水和剤の各種土壌における灌注処理の効果を検討し,大要つぎのような結果を得た。1.薬液に育苗用人工床土を混入し8時間後の抽出液で催芽期の籾の浸種処理を行った場合,播種2日後の幼芽長が抑制された区では2葉期の草丈も短く,両者の間にきわめて密接な関係が認められた。また,抽出液浸種処理法で効果が小さかった人工床土では出芽期の灌注処理でも効果が劣り,両処理法間で床土別反応はきわめてよく符合した。2.薬液への一般土壌混入による抽出液浸種処理の場合,火山灰土系の土壌では沖積壌土系の土壌に比べ薬効がほぼ半減する傾向を示した。なお,薬効が現れにくい土壌でも薬液濃度を高くすれば十分な効果が得られた。3.以上のように,本剤の灌注処理では床土の種類によって効果が異なるので,的確な効果を得るためには適薬量の事前調査が必要であるが,それには薬液への土壌混入による抽出液浸種処理法が利用できる。
日本作物学会の論文
1983-12-25