水稲機械移植用育苗における遮光性フィルムの利用に関する研究 : 第2報愛媛県における三層構造シルバーポリフィルムの普及実態とその問題点

概要

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愛媛県における三層構造シルバーポリフィルムの普及実態と問題点を調査するとともに出芽の安定化について検討した。得られた結果は大要つぎのとおりである。1)愛媛県におけるシルバーポリの利用は99%までが稚苗対象であり,54年度では機械移植面積の24%にまで及んでいるが,地域別にみればその利用方法および普及程度にかなりの差が見られ,それぞれの地域における取りあげ方あるいは指導徹底の重要性が示唆された。2)被覆方式はすべてトンネル状被覆であり,低温期育苗では呼称遮光度60〜80%のフィルムが,普通期育苗では同90%のフィルムが主に使われ,播種直後利用方式が56%,出芽後利用方式が44%となっている。なお,灌水管理法では折衷苗床式の下部灌水が55%,畑苗床式の上部灌水が45%となっている。3)本資材を利用する育苗で最も大きな問題点は,播種直後利用方式での種籾の持ち上がりであり,この防止策としては,床土水分を高く保持する(播種時灌水量の増加,土壌によっては覆土後灌水の実施,下部灌水方式の採用などにより)ことと,覆土量の適正化(箱当たり1kg程度使用する)が普遍的有効手段とみなされた。
日本作物学会の論文
1980-01-15