オズボーン・メンデルラットの進行性腎障害に関する研究

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3週齢〜25週齢のオスおよびメスのオズボーン・メンデル(OM)ラット93匹の腎臓について免疫組織学的,分子生物学的な観察と血清・尿の生化学的検索(20週齢まで)を行った。オスでは蛋白尿は7週齢より顕著となりその後増悪した。血清のアルブミン・グロブリン比も10週,15週で顕著に低下した。尿細管・間質におけるICAM-1およびMCP-1の遺伝子発現をreal-time PCR法により定量的に評価したところ,両者ともにオスでT細胞の浸潤が顕著になる10週齢より有意に高くなり,加齢に伴い発現量が増加する傾向が認められた。これらの結果は,尿蛋白,間質細胞浸潤そして間質におけるケモカインおよび接着分子のup regulationがほぼ同時期に起こり,これらが密接に関連する事を示唆するものと考えられた。間質線維化に関わる尿細管上皮細胞の筋線維芽細胞への形質転換ないしtransdifferentiationの指標として,尿細管上皮細胞におけるα-SMAの発現を免疫組織学的に観察したが,陽性細胞は何れの週齢でも確認できなかった。一方,皮質におけるVEGFおよびその受容体であるflk-1は,免疫染色で前者は尿細管上皮細胞,後者は血管内皮細胞に発現しており,これら陽性細胞は病変の進行とともに減少した。腎皮質におけるこれらの遺伝子発現を定量的に評価したところ,オスでは加齢とともに発現が低下し,この傾向は細胞浸潤が顕著となる10週以降に明らかであった。オスではVEGFおよびその受容体であるflk-1の遺伝子発現が,間質病変の進行とともに低下しており,間質血管の減数とその修復の低下が示唆された。

オズボーン・メンデルラットの進行性腎障害に関する研究

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