ボルナ病ウイルス感染ラットにおける母子伝播(I.大学院重点特別・研究科特別経費,平成18年度麻布大学公的研究助成金事業研究成果報告)
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概要
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1.ボルナ病ウイルス(BDV)のCRNP5株を脳内接種された仔ルイスラットを保育していた母ルイスラット1例が新生仔ラットへの脳内ウイルス接種から8週間後にボルナ病と考えられる重篤な神経症状が発症した。2.感染ラットの脳病変は非化膿性髄膜脳炎であった。中枢神経系では神経細胞を主体とするBDV陽性所見が認められた。3.BDV陽性細胞の分布の程度は嗅索を含む前頭葉,海馬(特にCA3領域)に強く,間脳,脳幹部,小脳,三叉神経節からも陽性所見が得られた。4.大脳皮質からは1.2×10^7FFU/gのウイルスが検出された。5.他のBDV感染仔ラットを保育した12匹の母ラット(ルイスラットおよびF344ラット)(8週間経過観察)については,神経症状ならびに脳病受け認められず,抗BDV抗体を用いた脳の免疫染色は全て陰性で,脳材料からもウイルスは回収されなかったが,抗BDV抗体測定結果では,3匹が陽性と判定された。6.12週間経過を観察した母ルイスラット7匹は発症しなかった。
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