オズボーン・メンデルラットの進行性腎障害に関する研究

概要

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3週齢〜35週齢のオスおよびメスのオズボーン・メンデル(OM)ラット129匹の腎臓について形態学的観察を行い,細胞浸潤や線維化といった尿細管・間質病変が,糸球体の分節性硬化や癒着といった上皮細胞障害に続発する非可逆的糸球体病変の進展に伴って,加齢と共に進行することを確認した。免疫組織学的観察から,オスでは5週齢より腎間質にTリンパ球が浸潤したが,B細胞やマクロファージは遅れて出現し,後者は特に少数であることが明らかになった。浸潤Tリンパ球の約半数はCD8陽性細胞であった。メスでは問質浸潤細胞のポピュレーションとその比率は同様であったが,問質病変はオスよりも軽度であった。また,ICAM-1,MCP-1分子およびその遺伝子の皮質における発現は,共に病変の進行につれ増加していた。免疫組織学的に,皮質におけるMMP-9の発現は減少し,その作用を阻害するTIMP-1のそれはむしろ増強する傾向が認められた。尿中には,TIMP-1やMCP-1などのケモカインが若齢時より検出されたが,加齢にともなう変化は血清のそれとほぼ同様のパターンを示した。
麻布大学の論文