SCIDマウス移植犬乳癌の実験的化学療法と臨床効果の予測(外科学)

概要

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SCIDマウスの皮下移植にて継代維持されている犬乳癌株(Solid Carcinoma, CMG-6)の抗癌剤感受性を検討するとともに, 臨床効果を予測した. 実験は, SCIDマウス皮下にCMG-6を一粒移植し, 6薬剤を各々尾静脈より一回投与した. 抗腫瘍効果は投与14日後の腫瘍体積について, 治療群/対照群比が50%以下で, かつU検定により有意差(片側1%)があるものを有効とし, 最小有効量(MED)を求めた. マウスMED(mg/kg)はCyclophosphamide (CPM) 65, Doxorubicin (DXR) 6, Cisplatin (CDDP) 5, Vincristine (VCR) 1.6, Vinblastine (VLB)>5.5, 5-fluorouracil (5-FU) 105であった. 臨床効果の予測は文献値を基に臨床投与量投与時の犬AUC (AUCdog)/MED投与時のマウスAUC (AUCmouse)比によって行い, これが1以上となる薬剤を臨床上有効であると判断した. AUC比はCPM2.24, DXR0.19, CDDP1.20, VCR0.04, VLB<1.24, 5-FU1.15であった. 以上より, CPMとCDDPおよび5-FUがCMG-6に有効であることが示唆された. さらに, 単剤実験で最も有効であったCPMとCDDPを用いた2剤併用実験を行ったところ, 各々の単剤投与よりも明らかに優れた腫瘍増殖抑制効果を示し, 併用による相加的効果が認められた.
2001-08-25