現地測定によるシロクローバ(Trifolium repens L.)・オーチャードグラス(Dactylis glomerata L.)草地の窒素固定活性の季節変動
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概要
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アセチレン還元の現地測定用反応容器を製作し,混生率の異なるシロクローバ(以下WC)・オーチャードグラス(以下OG)草地の刈取り管理下での窒素固定活性の季節変化を調べた。1. 草地でのアセチレン還元能の測定は,鍔付きのスチール製円筒を草地面に差し込み,その上に硬質透明塩化ビニール製容器を装着し,反応容器とする方法で行った。気密性,アセチレン濃度,反応時間,容器内温度変化等,測定条件の検討から,現地測定ではアセチレン濃度10%,反応時間30分が適当とされた。2. WC草地の窒素固定活性は,5月下旬に最大となりその後,9月下旬に最大値の約1/2程度の小さな山をもつ季節変化を示す。この活性は刈取りや施肥管理で変動するが,季節変化はこれらとは独立した要因によると考えられる。3. WC・OG草地のWC混生率と草地の窒素固定活性は,WC70%以上ではWC100%の草地と同様の高い窒素固定活性を示し,またWC50%でも5月末の最高時を除くとほぼ同様の活性を示す。4. WCの光環境を悪化させない条件下では,OGの混在がWCの窒素固定活性を高める傾向が認められた。
- 日本草地学会の論文
- 1995-04-30
著者
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