森林における歩行時のGPS測位精度評価
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概要
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林内歩行時におけるGPS (全地球測位システム) の測位誤差の計測実験を,受信機3機種を用いて,林分 (天然林, 入工林) と補正方法 (リアルタイムDGPS, 単独測位) の条件を変えて行った。分散分析によって測位誤差に影響を及ぼす要因を解析した結果,受信機,林分および補正方法はすべて有意(p≦0.001)であったが,これらの要因間の交互作用は認められなかった。林内歩行時の測位誤差は,マルチパス除去装置を備えた受信機の方が備えていない受信機よりも小さく,樹幹によって発生するマルチパスの影響を受けているものと考えられる。測位環境については,立木密度が林内歩行時の測位誤差に影響を及ぼしている可能性が示唆された。これは,立木による一時的な電波の遮断が立木密度の高い林分で頻繁に発生するためと考えられる。重回帰分析の結果,観測されたPDOP(位置精度劣化度)は,林内歩行時の測位誤差を推定する要因として有意でない (p=0.590) ことが示された。
- 日本森林学会の論文
- 2004-02-16
著者
-
中村 太士
北海道大学大学院農学研究院森林・緑地管理学講座森林生態系管理学分野
-
立木 靖之
北海道大学大学院農学研究科
-
吉村 哲彦
京都大学大学院情報学研究科
-
長谷川 尚史
京都大学大学院農学研究科
-
酒井 徹朗
京都大学大学院情報学研究科
-
尾張 敏章
北海道大学大学院農学研究科
-
三田 友規
北海道大学大学院農学研究科
-
立木 靖之
北海道大学大学院農学研究科:(現)特定非営利活動法人envision環境保全事務所
-
中村 太士
北海道大学大学院 農学研究院
-
酒井 徹朗
京大 大学院情報学研究科
-
吉村 哲彦
京都大学農学部
-
Tachiki Yasuyuki
Graduate School Of Agriculture Hokkaido University
-
TACHIKI Yasuyuki
EnVision Conservation Office
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