資源の多様性と総合的管理に関する一考察 : 土地保全的視点から

スポンサーリンク

概要

論文の詳細を見る
筆者らは、総合的資源管理を達成するために、従来の利用中心の管理計画から、保全的視点に立った資源管理の基本理念と計画の枠組みを提示した。明治以降の資源利用・保全政策の歴史と近年の政策の動向を考察すると、物質生産の観点から単一目的で資源利用が進められた結果、その多様性は失われ、保全事業は分極化し土地開発が急速に進行したといえる。この傾向は高度経済成長期に最も顕著に現れ、国民レベルでの資源の公共的利用・生態系保全への認識を高めるに至った。こうした歴史的経過より、「資源の多様性維持」を管理の基本理念とし、土地利用規制によって得た国民の「共有空間」における公益的利用を優先させることが提案された。計画の枠組みとして、保全対象の規定する空間スケールを明らかにし、土地空間内での階層構造を明確にすることによって規制のガイドラインを設定した。さらに、.基本政策と資源利用の持続を可能にするため、資源管理計画における時間概念の重要性を指摘した。
日本森林学会の論文
1994-03-01

著者

関連論文

もっと見る

スポンサーリンク