北海道駒ヶ岳における天然生カラマツ林の林分構造と成立過程
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概要
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北海道駒ヶ岳(1,133 m)において, 天然更新したカラマツ林の分布と標高別の林分構造および齢構造を明らかにし, 林分の成立過程を検討した。カラマツは広葉樹類が優占する山麓部を除き, 標高200〜400 m以上の山体全体にわたって優占種であった。標高500 m以上のカラマツ林は, 上層高が2.0〜6.1 m, 幹の根元断面積合計は0.1〜7.8 m^2/haと小さく, 非常に未発達な林分であった。カラマツのほかには, カンバ類, ドロノキなどの先駆性広葉樹類が混生していた。立木密度や上層高, 根元断面積合計値は標高にともなって減少する傾向があった。カラマツの侵入時期には標高差は認められず, 噴火後約20年以降の個体が現存していた。噴火後20〜50年間に定着した個体数は少なかったが, 20年生未満の個体数は著しく多かった。カラマツの個体数の増加には, 戦後造林された山麓の人工林からの種子散布と早期に天然更新したカラマツからの種子散布の関与が考えられた。
- 日本森林学会の論文
- 1999-02-16
著者
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渋谷 正人
北海道大学農学部
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渋谷 正人
北海道大学
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渋谷 正人
北大 大学院農学研究科
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中村 太士
北海道大学大学院農学研究院森林・緑地管理学講座森林生態系管理学分野
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清水 收
宮崎大学
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清水 収
宮崎大学農学部
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清水 収
北海道大学農学研究科環境資源学専攻
-
笹岡 英二
北海道大学農学部造林学講座
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矢島 崇
北海道大学農学部造林学講座
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高橋 邦秀
北海道大学農学部造林学講座
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笹岡 英二
北海道美深道有林管理センター
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高橋 邦秀
北海道大学大学院農学研究科造林学分野
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中村 太士
北海道大学大学院 農学研究院
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清水 収
宮崎大 農
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渋谷 正人
北大院農
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渋谷 正人
北大 大学院
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清水 収
宮崎大
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矢島 崇
北大 大学院農学研究院
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矢島 崇
北海道大学大学院農学院
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矢島 崇
北海道大学大学院農学研究科
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高橋 邦秀
北海道大学
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