農作物自動防灰装置の開発 : 火山灰の粒径分布と透過光量について
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概要
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この研究は簡単な光センサで降灰を感知し, 農作物の被覆装置を自動的に開閉するシステムを開発することを目的として, まずその基礎資料を得るために, 火山灰の粒径分布および透過光量について検討した.その結果を要約すると次のようである.1.火山灰の粒径分布は, 噴火口からの距離, 風速に非常に左右され, 噴火口から遠くなるにつれて, 20〜50μmの微粒子の割合が増加する.(Fig.5)今回の測定では, 火山灰の平均粒径は最高123μm, 最低55μm, 全測定個所の平均は97μmであった.(Table 1)2.透明なガラス板上に均一に分布した火山灰量と供試した排煙濃度計の出力電圧の関係を測定した結果, 限界出力電圧0.2Vで感知する灰量は白灰で2.0g/m^2,黒灰で4.0g/m^2であった.(Fig.7,8)3.灰の平面分布量(g/m^2)と一般に言われる降灰量(g/m^2-hr)との関係を, 平均粒径との関連で求めた.(Fig.10,式1)その結果, 本計測器の安全な感知限界を, 出力電圧0.2Vとすれば, これは約3,270(g/m^2-hr)〜6,542(g/m^2-hr)の範囲の降灰量に相当する.4.実際の場合, 降灰は微量な段階で感知する必要があり, その時の降灰量を200(g/m^2-hr)と仮定すると, 降下中の灰を濃縮比1 : 16〜1 : 33に濃縮して測定すれば, 農作物防灰用の降灰感知装置として十分実用化できると考えられる.
- 鹿児島大学の論文
- 1988-03-15
著者
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