可搬型茶摘採機の作業負荷測定 : 作業パターンと作業負荷

概要

論文の詳細を見る
本報では, 作業時間や作業パターンと作業負荷の関係を明らかにするために把持力ならび心拍数の測定を行い, 以下のような結果を得た.1.作業時間の経過に対して茶うね高さ70cmでは第2指から第5指まで各指の把持力の総計である総合把持力は4〜6kgの範囲で推移し, 大きな増減はみられなかった.茶うね高さ100cmにおいては総合把持力は作業開始時には4〜7kgの範囲でばらつきが見られるものの, 時間の経過とともに5〜6kgで安定する傾向を示した.これは, 茶うね高さ100cmでは摘採機を高い位置で保持しなければならず, 把持しづらい状況であったために作業開始時には不安定な状態であったためと考えられる.2.第2指から第5指までの把持力の総和に占める各指の把持力の割合は, 茶うね高さ70cmの場合には第4指の把持力割合が最も大きく30〜35%, 次が第3指で25〜30%となっており, 第2指と第5指はそれぞれ20%前後の値であった.これに対して茶うね高さ100cmの場合には, 第3指の把持力割合が最も大きく40〜45%, 次が第4指で30〜35%, 第2指と第5指はそれぞれ10〜20%の値であった.これらの値と本来各指の持つ能力である把持能力割合を比較すると茶うね高さ100cmの方がこれに近い分布を示していた.3.心拍数は茶うね高さ70cmでおよそ80から110へ, 茶うね高さ100cmでおよそ100から130へ増加していた.さらに, 作業終了とともに心拍数は減少し, 約6分で安静の心拍数に戻っていた.いずれの作業パターンにおいても心拍数増加率は1.2〜1.3となっていた.
鹿児島大学の論文
1996-03-31

可搬型茶摘採機の作業負荷測定 : 作業パターンと作業負荷

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク