さとうきび収穫機の開発に関する基礎的研究 : 蔗茎の力学的特性について
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概要
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さとうきび収穫調製作業機開発のための基礎資料とするために, 蔗茎のヤング率およびポアソン比について測定を行った.その結果を要約すると次のとおりである.1.蔗茎のヤング率は圧縮方向が茎長方向の場合, 表皮付き蔗茎でE_<M1>=12.853×10^2kg/cm^2(σ=89.5kg/cm^2), 髄部のみのものE_<M1>=3.184×10^2kg/cm^2(σ=29.0kg/cm^2)を得た.また, 茎径方向圧縮の場合, 表皮付きE_<M2>=7.853×10^2kg/cm^2(σ=48.3kg/cm^2), 髄部のみE_<M2>=0.444×10^2kg/cm^2(σ=7.47kg/cm^2)であった.2.蔗茎のポアソン比は圧縮方向が茎長方向の場合, 表皮付き蔗茎でν_<M1>=0.124(σ=0.023), 髄部のみのものν_<M1>=0.178(σ=0.020)でありまた, 茎径方向圧縮の場合の表皮付き ν_<M2>=0.296(σ=0.021), 髄部のみν_<M2>=0.359(σ=0.022)を得た.3.ヤング率, ポアソン比ともに蔗茎の圧縮方向および表皮の有無によりかなりの差があり, ヤング率は圧縮方向がいずれの場合でも表皮付き蔗茎の方が髄部のみのものに比べて高い(ポアソン比は低い)値を示した.また, 圧縮方向の違いではヤング率は茎長方向圧縮が茎径方向より, 平均値で約1.6〜7.2倍の高い値を示し, これらの値はサツマイモ, バレイショなどの農産物に比べて高い値を示した.また, ポアソン比は茎長方向圧縮の方が約1/2〜2/5低い値を示した.以上, 本実験で得られた測定値はある程度のばらつきはあるが, 一応その傾向および範囲は見い出されたものと考えられ, 蔗茎にはかなり強い方向性があることが明確になった.
- 鹿児島大学の論文
- 1981-03-19
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