ロール型さとうきび脱葉機に関する基礎的研究 : II.脱葉ロールの耐久性について

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ロール型さとうきび脱葉機の開発においては, ロールの摩耗が大きな問題となっている.それで, 摩耗の機構を実験的に解明するために, 蔗茎を供試ロールに押し付けて滑り摩耗を起させる摩耗試験装置及びロールへの蔗汁付着装置を製作し, (1)ロールの材質, (2)ロールの表面処理の相違, (3)ロール表面のローレット目の大きさ, (4)蔗茎のロールへの接着圧及び(5)ロール表面における蔗汁の有無が摩耗に及ぼす影響をしらべた.1.ロールの材質については, 合成樹脂として金属に近い耐摩耗性があるとされているポリアセタールと金属SS41を比較したが, ポリアセタールは金属より摩耗が激しく, 脱葉ロールとしては不適と考えられる.また, 金属同士ではS38CとS45Cとを比較したが, S45Cの方がS38Cよりも耐摩耗性があると認められる.2.ロールの表面処理については, S38Cでは無処理より焼入をしたものの方が, SS41では無処理より軟窒化をしたものの方が何れも耐摩耗性に秀れている.ことに軟窒化は耐摩耗性の向上に大いに効果をあげている.3.ローレット目の大きさについては, 荒目の方が細目より耐摩耗性に秀れている.4.きびの接着圧については, 大きい程, ロールの摩耗が大きい.5.ロールへの蔗汁の有無については, 蔗汁の付着している部分は付着していない部分に較べて耐摩耗率が極端に減少し, とくに軟窒化を施した脱葉ロールでも蔗汁が付着するとその効果は極めて少なくなることは注目に値する.
鹿児島大学の論文
1982-03-19

ロール型さとうきび脱葉機に関する基礎的研究 : II.脱葉ロールの耐久性について

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