さとうきび脱葉機構の開發に関する研究

概要

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さとうきび栽培上, 多くの労力を必要とする脱葉作業を機械化するために, 切断摩擦方式脱葉機構(円筒刃式), 強制摩擦方式脱葉機構(スチールワイヤ式, ピアノ線式, Vベルト式), 衝撃摩擦方式脱葉機構(チエーン式)を試作して脱葉性能を実験し, その実用性を検討した.1.切断摩擦方式脱葉機構(円筒刃式)は, 円筒刃で蔗葉を切断しながら擦りとってゆく方式である.脱葉性能は, 脱葉率77.3〜90.1%, トラッシュ率0.6〜1.2%, 損失率0%, 作業能率150〜313kg/man-hr, 正味脱葉動力1.02〜1.14PSであった.この脱葉機構は, 原料茎に深さ1.5〜2.0mmのラセン状の傷がつくこと, 1本づつしか脱葉出来ないために, 作業能率に限界があることなどの欠点がある.2.強制摩擦方式脱葉機構(スチールワイヤ式, ピアノ線式, Vベルト式)は, 脱葉部材として, スチールワイヤ, ピアノ線およびVベルトを用い, これらの部材を脱葉ロールに取付け, その強制摩擦によって蔗葉を擦りとってゆく方式である.脱葉性能は, 脱葉率76.6〜89.8%, トラッシュ率0.6〜1.0%, 損失率0〜1.1%, 作業能率156〜190kg/man-hr, 脱葉正味動力1.02〜1.87PSであった.この脱葉機構は, 原料茎に対する損傷は殆んど認められないが, 脱葉部材の摩耗(約150〜200kgのさとうきびを脱葉後, 部材先端が1〜2mm摩耗)が著しい欠点がある.3.衝撃摩擦方式脱葉機構(チエーン式)は, 脱葉部材に屈撓性のあるチエーンを用い, これを脱葉ロールに取付け, その遠心力を利用した衝撃摩擦によって脱葉する方式である.脱葉性能は, 脱葉率90.3〜91.3%, トラッシュ率0.6〜0.8%, 損失率0.6〜1.4%, 作業能率162〜178kg/man-hr, 脱葉正味動力0.30〜0.42PSであった.この脱葉機構は, チエーンの摩耗(約200〜250kgのさとうきび脱葉後, チエーンの繋ぎ目およびシヤフトへの取付部が0.2〜0.3mm摩耗)が僅かあり, 損失率も少し大きい欠点はあるが, 脱葉率, トラッシュ率ともにすぐれ, 原料茎に対する損傷も実用に障害になるほどのものもなく, 正味脱葉動力も少ない特長がある.特に, 脱葉ロール順回転式は, さとうきびの複数本挿入が可能で, 作業能率の向上を計り易い大きな特長があり.今後, 有利な脱葉機構である考とえられる.
鹿児島大学の論文
1979-03-19

さとうきび脱葉機構の開發に関する研究

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