導電率による肉の解凍率の測定
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概要
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この研究は食肉の凍結および解凍プロセスの自動計測, 自動制御を行うことを目的として, 従来の温度測定の代りに導電率を測定することにより熱移動パターンを判断できないかを検討したものである.その結果を要約すると次のようである.(1)電気抵抗(R)と形状との関係は食肉の面積(S), 厚さ(L), 抵抗率(ρ)とすればR=ρL/Sの関係があり, 常温下における豚もも肉の導電率(1/ρ)は6.25×10^<-3>Ω^<-1>cm^<-1>であった(Fig.4,Fig.5).(2)凍結および解凍中, 導電率(1/ρ)は品温(T)により指数関数的に変化し, 1/ρ=10^<(a+bT)>の実験式を得た(Fig.11,Fig.12).すなわち金属物質とは逆に, 品温が低下すれば導電率も低下することが明らかとなった.(3)前記式の定数a, bは試料の種類や品温変化に伴って定まるもので豚もも肉の場合, 凍結中はaは-3.41〜-3.52,bは0.062〜0.080,解凍中はaは-2.57〜-2.65,bは0.110であった.(Table 2)(4)食肉の導電率は凍結中と解凍中では同一の凍結率でも異なり, 解凍中の方が高かった.この原因について, 温度の変化速度の差異によるものか, その他の理由によるものか今回の実験では追求できなかった.今後検討したい.
- 鹿児島大学の論文
- 1988-03-15
著者
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