2・3のウリ科植物に対する放射線効果の研究
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概要
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農作物に対する放射線効果の研究の一環として, 2・3のウリ類に対する放射線効果を研究した.今回は特に, ハウス栽培用のキュウリとして, F_1長日落合2号・F_1久留米落合H型および接木台用として黒ダネカボチャを選んで実験に供した.これら3品種の種子をCo-60,γ線で照射した.照射時における種子の状態として乾燥種子および湿潤種子, また苗の状態として子葉苗および本葉苗を選んだ.乾燥種子は220kradまで, 湿潤種子・子葉苗および本葉苗は30krad程度まで照射した.これらの種子および苗に対する放射線効果として, 次の事実が観察された.1)乾燥種子を照射した場合, キュウリの発芽歩合は100kradまでは放射線の影響が認められなかったが, 100krad以上になると影響が現われ, 220kradでは80%に減少した.2)乾燥種子を照射した場合, キュウリの出芽歩合は60kradまでは放射線の影響は認められなかったが, それ以上の照射を受けると減少し, 100kradの照射で80%になり, 220kradの照射を受けると0となった.3)湿潤種子を照射した場合, キュウリの出芽歩合は乾燥種子の場合の約1/10の線量で同じ影響が現われた.すなわち, 出芽歩合は6kradまでは放射線の影響は認められなかったが, それ以上の照射を受けると減少し, 10kradの照射で20〜30%という低い値となった.4)カボチャはキュウリより放射線に対する抵抗性が強く, カボチャの乾燥種子, 潤湿種子の発芽歩合, 出芽歩合はキュウリのそれらよりも高い値を示した.5)キュウリの品種間では, 放射線の影響の品種間の差は認められなかった.6)照射種子から育った苗の生育状況の観察から, 生育が阻害される線量があることが認められた.茎長, 葉面積の測定から, キュウリの場合, 乾燥種子では80krad, 湿潤種子では8krad以上の照射を受けると生育が阻害され, 枯死した.
- 1980-03-19
著者
-
植木 健至
作物学研究室
-
宮里 満
鹿児島大
-
団野 晧文
農業物理学
-
石黒 悦爾
農業物理学研究室
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宮里 満
農業物理学研究室
-
団野 晧文
(前)鹿児島大学
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石黒 悦爾
鹿児島大学水産学部
-
小倉 弘司
蔬菜園芸学研究室
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