有用植物に対する放射線照射効果 : ソバ, ブラック・マッペ, エンドウ, カブ, ベニバナについて

概要

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ソバ, ブラック・マッペ, エンドウ, カブ, ベニバナの種子をCo-60,γ線で照射した.照射種子を播種して, 発芽率, 出芽率を調べるとともに, ガラス室で生育させ, 照射効果を観察した.15kGy以上の照射区では, どの供試植物にも発芽はみられなかった.また, すべての供試植物で, 出芽率は発芽率よりも低い値となった.なかでも, ベニバナとカブでは, 線量に関係なく出芽率は全般的に低く, エンドウでは高線量区で出芽率は著しく低下した.生存率は播種後11〜24日に急減し, 減少の程度は高線量区になるにつれて著しかった.草丈, 展開葉数, 生体重については, 0.4kGy区までは照射による影響は認められず, 生存限界線量の近くでは, これらの値は著しく小さくなった.放射線照射による傷害の現われ方は, 植物によりかなり異なったが, 一般に軽い方からモザイク症状, 変形葉, 矮化, 芯止りの形で現われた.発芽率, 出芽率, 草丈, 展開葉数ならびに生体重などでは, 照射効果はある線量を越えると急激に低下あるいは小さくなるという形で現われるのに対して, モザイク, 変形葉, 矮化, 芯止りなどの傷害は, 線量の増加につれて症状が次第に著しくなる傾向が認められた.
1985-03-15