有用植物に対する放射線照射効果 : インゲンマメ, ムラサキハナナ, キバナルピナス, ハリアサガオについて

概要

論文の詳細を見る
インゲンマメ'金時'(つるなし)と'十六寸'(つるあり), ムラサキハナナ, キバナルピナスおよびハリアサガオに対する放射線の影響を明らかにするため, これらの乾燥種子に^<60>Coのγ線を照射した後, 露地あるいはビニルハウス内の地床に播種し, 出芽ならびに生育状況を調査した.'金時'の節数や下胚軸長では, 放射線の影響はあまり顕著には認められなかったのに対し, 出芽, 茎長と生体重は, 線量が増加するにつれて小さくなり, 変形, 芯止りなどは大きくなった.'十六寸'は'金時'よりも低線量で障害が発生した.ムラサキハナナでは3.6kGyの線量区まで出芽したが, 線量の増加につれて生存率は急激に減少し, 0.3kGy区で0%となった。キバナルビナスは, 3.6kGy区まで出芽し, しかも葉の斑入りや変形はほとんど観察されなった.ハリアサガオの出芽率は, 3.6kGy以上の区で著しく低下し, 10.0kGy区以上ではまったく出芽しなかった.生存個体は1.0kGy以上の試験区では認められず, 0.3kGy区以上では芯止りが著しく増加した.また, 子葉に上偏生長が観察され, これは線量の増加につれて著しくなった.
鹿児島大学の論文
1991-03-15