振動特性によるスイカの内部品質判別 : 自己相関関数の包絡線のパワースペクトルと内部品質

概要

論文の詳細を見る
本文では振動波形の自己相関関数に着目し, 自己相関関数の包絡線のパワースペクトルの各周波数の振幅値と質量, 密度, 官能試験の結果(甘味, 歯ごたえ, 水分と色)の関係を検討しながら, スイカの質量に依存しない新たな非破壊判別指標を見いだすことを試みた.1.振動波形の自己相関関数のパターンが質量の増加につれて縦長のひし形から段々と横長のひし形に変化した.2.未熟スイカの自己相関関数は適熟スイカより縦長のひし形を示したが、煮えスイカの自己相関関数は適熟スイカより横長のひし形を示した.また, 内部空洞のスイカの自己相関関数は不規則な形を示した.このように自己相関関数のパターンがスイカの内部品質により変化することを示した.3.自己相関関数の包絡線のパワースペクトルの各周波数の振幅値と質量, 密度並びに官能試験の各項目の関係には正の相関と負の相関を示した.V_<H3>は質量との相関がほとんどなく, 密度, 官能試験との間には最も高い相関を示したので, V_<H3>が内部品質の指標となる可能性を示した.
鹿児島大学の論文
1994-03-25