有限要素法によるシラスの破壊に関する非線形弾性解析
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概要
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シラスの安定性を検討する手法を導くための手がかりとして, シラスの非圧密非排水三軸試験で得られた値から非線形弾性構成式を導き, 有限要素法を適用した数値解析を試みた.それによって実験値と解析値とを比較検討し, 内部応力の状況の把握, 破壊の発生とその進行を考察してきた.今回弾性論を中心に土が非線形挙動を示すことを考慮して, Kondner-Duncan-Changらが提唱している構成式を使用した.その結果, 実験で得たせん断強さの70〜95%を近似させた式はシラスのひずみの小さいところでは実験曲線と一致する.しかし, 破壊の発生する付近では両者は一致しない.弾性論の範囲では, 材料非線形性を取り入れたとしても考察の対象はひずみのあまり大きくない弾性平衡状態の領域に制約される.また, モール・クーロンの破壊基準を用いて, 要素の破壊を判定した結果, 中心軸付近から破壊要素が現れる.つまり, 供試体内部から降伏が発生して徐々に周辺に広がっていく傾向を示し, この降伏の始まりが実質的な材料破壊と考えられる.
- 鹿児島大学の論文
- 1990-03-15
著者
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