カナダヒオウギアヤメのポリフェノール成分の定性並びに日本産ヒオウギアヤメ3変種との化学分類学的比較
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概要
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カナダヒオウギアヤメ(Iris setosa var. canadensis M. Foster)の葉から5種類のフラボノイドと4種類のキサントンが分離され,それぞれisoorientin (1), orientin (2), vicenin-2 (3), 2種類のluteolin 6, 8-di-C-glycoside (6および7), mangiferin (4), isomangiferin (5), xanthone C-glycoside (8)およびxanthone O-galactoside (9)と同定された。これらのフェノール成分のパターンがすでに報告のある日本産のヒオウギアヤメの3変種,すなわちヒオウギアヤメ(var. setosa Pallas),キリガミネヒオウギアヤメ(var. hondoensis Honda)およびナスヒオウギアヤメ(var. nasuensis Hara)のものと比較された。その結果,カナダヒオウギアヤメでは4'-O-グリコシル化フラボンやメトキシル化フラボンばかりでなく,他の変種に共通に存在する一般的なC-グリコシルフラボンのisovitexinやvitexinさえも欠失しており,逆に他の変種では見いだされなかったキサントンのO-配糖体が存在することでキリガミネヒオウギアヤメやナスヒオウギアヤメはもとより母種のヒオウギアヤメとも異なっていることが判明し,化学分類学的にはヒオウギアヤメの変種よりもむしろ独立した種,Iris hookeri Pennyとみなすのが妥当と考えられた。
- 国立科学博物館の論文
- 1995-12-25
著者
-
岩科 司
国立科博・筑波実験植物園
-
岩科 司
国立科学博物館 筑波実験植物園
-
大谷 俊二
東京農業大学生物産業学部
-
岩科 司
国立科学博物館 筑波研究資料センター 筑波実験植物園
-
岩科 司
国立科学博物館
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