天然物中の水溶性抗酸化因子及び脂溶性抗酸化因子による抗酸化作用の評価

概要

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天然成分には多くの抗酸化物質が存在することが知られている.特に,ポリフェノールやプロポリスの抗酸化作用に関しては多くの論文に報告されており,この多くは水溶性溶媒中において水溶性因子による抗酸化作用が測定されている.しかし,天然物中の抗酸化物質は水溶性成分のみならず多くの脂溶性成分も含まれている.このため,天然成分に含まれる抗酸化物質の総合的な抗酸化作用を知るためには,水溶性及び脂溶性抗酸化因子による抗酸化作用をそれぞれ測定して総合的に評価する必要がある.そこで,筆者らはTubaroらの方法で用いられた水溶性,脂溶性の両方の溶媒系に溶解するクロシンを指標にし,水溶性アゾ化合物(以下ABAP)又は脂溶性アゾ化合物(以下AMVN)により極性の異なるラジカルを発生させることにより,同一の成分に対する水溶性及び脂溶性溶媒中における水溶性因子及び脂溶性因子による抗酸化作用を相対的に評価した.また,抗酸化作用を示す標準品として,水溶性,脂溶性の両溶媒系に溶解するTrolox Cを用いた.
2004-11-01