人の表情を有し音声対話・視覚機能を備えたマルチモーダルインタフェース

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近年のハードウエア技術の進歩は、計算機をより高機能な演算装置へと進化させると共に、ネットワークを通じて膨大な情報を通信する強力な情報端末としての機能をも持たせつつある。これをユーザインタフェースの見地から見ると、このような状況下ではユーザが真に必要とする情報を能動的に判断し、提供してくれるインタフェースが望まれると考えられる。しかし、GUI等の現在主流のインタフェースは、ユーザからのコマンド入力を待つことを基本とし、また入力を受けるとそれを一義的に解釈して所定の処理を行うに留まっており、上記のニーズを満たすものではない。我々はこのような現状に鑑み、コンピュータのモニタ上に顔の動画像(エージェント)を登場させ、これに音声入出力機能や人物鑑別機能、またユーザの挙動などの非言語的情報の処理機能等を持たせて、対話ベースで処理を行うインタフェースの実現を進めている。これにより、ユーザ毎の状況に応じた処理や情報の提供を,能動的に行うことのできるシステムの実現を目指している。本稿では、その初期プロトタイプとして、ユーザを画像認識により識別し、相手に応じた対話を行うシステムを構築したので報告する。これによれば、ユーザはエージェントに顔を見せるだけで個別の応答を受けられる他、エージェントに対し、口頭で自分以外の特定のユーザへの伝言を依頼すること等も可能である。なおこの種のインタフェースの研究は各所で進められてきたが、画像認識を用いたユーザの識別を取り入れた報告例は過去にない。
社団法人電子情報通信学会の論文
1995-03-27

人の表情を有し音声対話・視覚機能を備えたマルチモーダルインタフェース

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