クロマトグラムの積分方法が測定値の真度・精度へ与える影響
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概要
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クロマトグラムのピーク測定によく用いられる方法(インテグレーター法)と最近提案された方法(TOCO法)から得られる面積・高さの測定値の真度と精度を比較検討した.これらの方法の最も大きな違いは,インテグレーター法ではピーク領域がベースラインノイズの変動に依存して変わるが,TOCO法では,ピーク領域(幅)は常に一定であることにある.クロマトグラフィーでよく観測されるベースラインノイズをコンピュータで合成し,ガウス型シグナルを重ね合わせた疑似クロマトグラムを作成し,インテグレーター法とTOCO法で,面積・高さを測定した.インテグレーター法は,面積・高さ共に正のバイアスを与える.このため,検量線は正の切片を持つ.一方,TOCO法は,インテグレーター法に比べてバイアスはかなり小さく,検量線も原点を通る.精度においては,パラメーターの設定によっては,インテグレーター法の精度は優れていることもあるが,全体的には,これらの方法の精度には大きな差はない.どちらの方法でも,検量線は直線であり,定量分析の観点からすれば,インテグレーター法もTOCO法も問題はないと結論できる.インテグレーター法を用いて測定値から標準偏差を計算するときの理論的問題点を指摘する.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 2003-08-05
著者
-
松田 りえ子
国立医薬品食品衛生研究所
-
林 譲
国立医薬品食品衛生研究所
-
豊田 正武
実践女子大学生活科学部
-
松田 りえ子
愛知県衛生研究所
-
豊田 正武
実践女子大学
-
松田 りえ子
国立医薬品食品研究所
-
林 讓
National Institute of Health Sciences
-
林 譲
国立衛生試験所
-
松田 りえ子
医薬品食品衛研
-
豊田 正武
Faculty of Human Life Sciences, Jissen Women's University
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