動的ネット重み調整によるタイミング保証ミニカット配置手法

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回路中の信号伝搬遅延は、論理ゲート内部の遅延と、論理ゲート間の配線により生じる遅延とから成るが、LSI中の素子の微細化に伴い、後者の割合が増加している。その結果、遅延値がレイアウト結果に大きく依存するため、配線遅延を考慮せずにレイアウト設計を行なうと、回路がタイミングエラーを生じる場合が多い。このような問題に対して、配線遅延を考慮したレイアウト設計を行なう方法がいくつか提案されている。その中で重み付けによりクリティカルネットの線長を短くする方法が、実現が容易であることからよく用いられる。しかし、この方法には、ネットの重みの値とレイアウト後の配線長との間に定量的な関係がないため重みの値の設定が難しいという問題がある。重みが小さすぎると、タイミングエラーが生じ、大きすぎると重み付けしたネットの配線長を必要以上に短くして、局所的な配線混雑を増加させることがある。そのため、タイミングエラーのないレイアウト結果を得るのに、重みの値を変更しながら何度もレイアウトを繰り返す必要があり、設計期間増大の要因になっている。本論文では、上記のようなネットの重み付け手法の問題点を解決するために、ネットの重みを動的に調整する機能を付加したタイミング保証min-cut配置手法を提案する。
一般社団法人情報処理学会の論文
1992-02-24

動的ネット重み調整によるタイミング保証ミニカット配置手法

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