グローバル配線におけるネットの配線順序についての一考察
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概要
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ゲートアレイの配線は、グローバル配線と詳細配線の2段階で行なう。グローバル配線は、セル間を論理的に接続するネットの概略の配線経路を決める。ゲートアレイは、チップの大きさが予め決まっているので、グローバル配線では、後続の詳細配線で配線不能を発生させないように、配線の局所混雑を避けることが重要である。また、チップの性能を保つため、配線の不要な迂回を避けることも必要である。これらの要求を満たすために、配線混雑度と配線長の和から成る形の評価函数を用いるのが一般的である。グローバル配線で、1度に1本ずつネットの経路を決める場合、配線結果の良否が配線順序に依存するという問題があり、様々な手法でネットの配線順序決めが行なわれているが、グローバル配線におけるネットの配線順序決定に関する報告は少ない。文献[3]の方法は、セル列上のフィードスルーを有効に利用して経路の迂回を少なくし、総配線長を短くすることを目的としているが、配線の混雑度を考慮していないので、配線の局所混雑を避けるというグローバル配線の第一の目標に適していない。文献[4]の方法は、予想混雑度の高い所にあるネットから配線を行なうが、具体的な配線順序決定函数の記述はない。最近では、ネットの配線順序問題に対処するため、ネットを1本ずつ最短経路で配線する初期配線と、配線が混雑した箇所のネットをrip-upして配線し直す再配線の2段階でグローバル配線を行なう方法が最も一般的である。しかし、初期配線におけるネットの配線順序が不適切であると、配線の局所混雑が多発し再配線の処理時間が大幅に増大して最終的なグローバル配線結果も悪いものになる。本文では、グローバル配線を初期配線と再配線の2段階で行なう場合に、配線の局所混雑が少なく経路の迂回も少ない配線が行なえるように、初期配線におけるネットの配線順序を決定する函数を提案する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1992-02-24
著者
-
寺井 正幸
三菱電機(株)カスタムlsi設計技術開発センター
-
藤野 康弘
三菱電機(株)
-
藤野 康弘
三菱電機(株)カスタムlsi設計技術開発センター
-
松崎 日出夫
三菱電機(株) カスタムLSI設計技術開発センター
-
松崎 日出夫
三菱電機株式会社制御製作所
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