ビジュアル・エージェントのための顔領域追跡手法

概要

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本稿では動画像において顔領域を探索し追跡する手法について述べる。この手法は現在我々が実現を進めているコンピュータとの対話システム(ビジュアル・エージェント)への応用を目的としており、対象とする動画像は室内環境において撮影された未知の人物が任意の動作をしているものである。このため顔の大きさや向きは任意に変化しており、柔軟な処理が必要とされている。顔を探索する処理として主成分分析による特徴ベクトルを利用するもの等が提案されているが、処理の高速性や環境変化に対する柔軟性に問題がある。本手法はテンプレートマッチングに基づいているため、特殊な特徴抽出処理は不要であり、相関演算をハードウエア化することにより高速に動作させることが可能である。また顔領域探索を柔軟に行なうため、平滑化およびMultiResolution処理を利用している。顔領域追跡においては顔の大きさや向きの変化した顔パターンを合成し、これもテンプレートとして利用することにより顔の向きの変化に対し柔軟な追跡を行なっている。
一般社団法人情報処理学会の論文
1993-03-01