林木の放射線感受性に関する研究(IV) : ガンマー線照射ほ場における緩照射のもとでの林木の葉のN, P, KおよびCaの含有率について
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概要
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ガンマー線照射ほ場でのガンマー線緩照射下における林木の葉のN, P, KおよびCaの含有率を調査し, それぞれの元素の含有率と線量率, 樹高生長ならびに葉緑素枝変りの発生との関係を検討した。1)強度の生育障害をうける線量率区域では葉の乾物含有率が低下した。2)線量率が高くなるにつれ各樹種とも葉のN, P, Kの含有率が高くなる場合が多かったが, 逆に, Caの含有率は低くなる場合が多かった。分析用サンプルの採集時期別にみると, 10月〜12月より7月の分析結果の方が線量率に対して各元素の含有率が変動した頻度が高かった。3)一般に, 針葉樹の方が広葉樹より照射にともなう各元素の含有率が変動した頻度は高かったが, 前者ではN, P, Ca後者ではK, Ca, の含有率が変動した例が多かった。しかし, ポプラ, キリでは含有率が変動した例は少なかった。また, マツ類, キリではCa含有率の低下が少なかった。4)1963-1964年のクマスギの葉緑素枝変り発生の最適線量率は7-10r/dayと推定されたが, この線量率区域では連年樹高生長量は無照射区の約1/10であり, 各元素含有率も無照射区に比較して大きく変異しはじめている。他の樹種の連年樹高生長, 胸高直径も線量率が高くなるとそれぞれ低下した。
- 日本森林学会の論文
- 1966-04-25
著者
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